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よくある質問

「なんでも労働相談」開始以来、事務局に寄せられた質問の中から、よくある質問をまとめました。労働問題でお悩みの方は、まずはこのページから探してみてください。

労働契約

採用の時に聞いていた話と実際の労働条件が違うのですが…?

労働者を雇用する際には、一定の労働条件を書面で明示しなければなりません。

労働契約は口頭でも成立しますが、労働条件の内容は、きちんと文書で確認しておかないと、後々トラブルのもとになります。労働基準法では、労働者を雇用する際には一定の労働条件を書面で明示するよう使用者に義務付けています(第15条)。

また、2008年3月から施行された労働契約法(第4条)では、使用者は、労働者に提示する労働条件や労働契約の内容について理解を深める努力をしなくてはなりません。

(必ず書面で明示しなければならない労働条件)

  • 労働契約期間
  • 就業場所と従事する職務
  • 始業・終業時刻、休憩、残業の有無
  • 休日・年休などの休暇
  • 賃金(締切日、支給日、計算方法等)
  • 退職

トラブルを未然に防ぐためにも、採用面接などで、労働条件についての文書でもらえるかどうか確認することが重要です。また、交付された書類、求人票、求人広告などは保存しておきましょう。

なお、採用時に明示された労働条件と実態が違う場合には、労働者は即時に労働契約を解除することができます。この場合、就業のために住居を移動し、14日以内に帰郷する場合、使用者は必要な旅費を負担しなければなりません(労働基準法第15条)。違反すると30万円以下の罰金刑に処せられることになります(同法第120条)。

これに加えて、2008年4月1日施行の改正「パートタイム労働法」(第6条)では、パートタイム労働者については「昇給の有無」「退職手当の有無」「賞与の有無」についても文書を交付することが義務化されています。違反した場合は、10万円の過料となります。

また、2008年3月1日に施行された「労働契約法」(第4条)では、使用者に対して、労働者に提示した労働契約内容の理解を促進することを求めています。

就業規則を見せてくれません。

雇用形態に関わらず常時10人以上を使用する事業場には、就業規則の作成・届出、従業員への周知義務があります。

就業規則には、労働条件を明確にするだけでなく、職場の秩序を維持し、働きやすい職場にすることや、トラブルを未然に防ぐという役割があります。使用者は就業規則を整備し、労働者にきちんと説明すべきです。

労働基準法第89条では、常時10人以上を使用する使用者は、一定の事項について就業規則を作成し、労働基準監督署長に届け出なければなりません。この場合の10人には、通常の労働者だけでなく、パートタイマーなども含んだ数です。

就業規則を作成(変更)するときは、その事業場で過半数を組織する労働組合、その労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聞き、その意見を書面で添付して届け出なければなりません。

また、パート労働法第7条では、パートタイム労働者に関する事項について就業規則を作成(変更)するときは、パートタイム労働者の過半数を代表する者の意見を聞く努力義務が定められています。

 

一定の事項のうち、必ず記載しなければならないのは次のとおりです。

  • 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交替
  • 賃金の決定、計算・支払方法、締切日・支払日、昇給
  • 退職(解雇の事由)

使用者は、作成(変更)した就業規則について、次のいずれかの方法で労働者に周知させる義務があります(労働基準法第106条)。違反した場合は30万円以下の罰金刑に処せられることになります(同法第120条)。

  • 常時事業場の見やすい場所への掲示または備え付け
  • 労働者への書面交付
  • 磁気テープ、磁気ディスク等への記録と、その内容を労働者が常時確認できる機器の各事業場への設置

法律では労働者が10人以下の事業場に就業規則の作成義務はありませんが、トラブルを未然に防ぐ意味でも就業規則があった方が望ましいでしょう。

2年契約で働いていましたが、途中で契約解除を言い渡されました。

有期の労働契約については、原則として使用者は解雇できません。

期間の定めがある労働契約(有期労働契約)の場合は、やむを得ない理由がある場合を除いて、使用者は労働者を解雇することはできません(民法第628条)。

その理由が使用者の過失によって生じた場合には、使用者は残りの契約期間で支払われるべき賃金を労働者に支払わなければならず(民法第628条)、労働者からも賃金の支払いを請求することができます(民法第537条)。

派遣労働の場合でも、期間の定めがある労働契約である以上、派遣期間中に派遣先の都合で契約解除が行われたときには、残りの期間に対応した賃金全額を請求する権利が発生します。

会社が離職票を交付してくれません。

使用者は離職票の交付を遅らせたり、拒んだりすることはできません。

離職票(雇用保険被保険者離職票)は、雇用保険の失業等給付を受けるために必要なものです。被保険者である労働者が離職したときには、事業主(派遣元)は10日以内にハローワークに届出をし、離職票を労働者に交付しなければなりません(雇用保険法7条ほか。罰則:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)。まずは派遣会社を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に相談しましょう。また、ハローワークで被保険者であったことの確認を受け、離職票を受ける方法もあります。

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派遣のしくみ

派遣で働くってどういうこと?

雇用契約を結ぶ会社と、実際に働く会社が異なるということです。図のような仕組みになっています。

労働者派遣とは、事業主が、自分が雇用する労働者との雇用関係を維持したまま、その労働者を他人の指揮命令の下で労働させることをいいます。

もともと、自分が支配下に置く労働者を他の事業主に供給すること(労働者供給)は、不当な賃金の中抜き・ピンハネにつながるため、現在でも職業安定法で原則禁止されています。現在の労働者派遣制度は、1985年の「労働者派遣法」によって、あくまで労働者供給禁止の例外として制度化されたものです。

 

[1]労働者と派遣元との間で雇用契約が結ばれる。

[2]派遣元と派遣先が、法令に基づく「労働者派遣契約」を結ぶ。

[3]法令と契約に基づいて、労働者が派遣先に派遣される。

[4]派遣先に派遣された労働者は、派遣先の指揮命令を受けて働く。

[5]労働者は、派遣元から賃金の支払いを受ける。

派遣と請負の違いって?

派遣先(仕事の発注主)の指揮命令下にあるかないかがポイントです。

請負契約とは、民法で定められた契約の一つで、当事者の一方がある仕事を完成させ、その相手方が、仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束する契約です。

この場合、仕事の発注者が請け負った人に対して仕事のやり方などを具体的に指示することはできません。

派遣労働者は派遣先から指揮命令を受けて働きますが、請負で働く人や請負会社の労働者は、依頼された仕事をする上で発注者から出退勤の時間を指定されたり、指揮命令を受けたりすることはありません。請負契約を結んでいるにも関わらず、発注者によって出退勤の時間や作業方法の指示などが行われている場合は問題です。本来であれば労働者派遣として規制を受けるべきものを、見かけ上請負としている、いわゆる「偽装請負」にあたるからです。「おかしいな」と思ったら、ハローワーク(公共職業安定所)や自治体の労働相談窓口に相談しましょう。派遣と請負の区別についての判断基準については、労働省(当時)による告示がありますので参考にしてください。(「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」昭和61年労働省告示)

労働者派遣の期間って決まってるの?

労働者派遣の対象業務や、派遣先の会社が派遣労働者を受け入れることができる期間は、下の表のとおりです。

専門26業務については、2003年の法改定で派遣労働者受け入れの期間制限がなくなりました。その他の業務については、原則1年となっており、派遣先の労働組合または従業員代表の意見聴取を条件に、最長3年までの更新が可能とされています。

  派遣の種類 派遣先が派遣労働者を受け入れることができる期間
[1] 一般業務([2]~[6]以外の臨時的・一時的業務) 制限あり(原則1年、最長3年)
派遣期間が1年を超える場合は、あらかじめ派遣受け入れ期間を定め、派遣先の労働組合または従業員代表の意見聴取が必要。
[2] 専門26業務(ソフトウェア開発等、一定の知識や経験が必要なもの等) 期間の制限はないが、派遣契約の上限は原則3年。
3年経過後、新たに同一業務に労働者を雇い入れる場合は、派遣労働者に雇用申し込み義務が発生。
[3] 3年以内の有期プロジェクト(事業の開始・転換・拡大・縮小・廃止のための業務で一定期間内の完了が予定されている業務) 上限3年、更新不可
[4] 産前産後休業、育児・介護休業中の労働者の代替 休業が終了するまで
[5] 日数限定の業務(土日のみ、月初めのみ等) 期間の制限なし
[6] 物の製造業務 上限3年。([2]~[5]に該当する場合は、[2]~[5]が適用)
[7] 紹介予定派遣 制限あり(6ヶ月)

※専門26業務

1)ソフトウェア開発 2)機械設計 3)放送機器等操作 4)放送番組等演出 5)事務用機器操作 6)通訳・翻訳・速記 7)秘書 8)ファイリング 9)調査 10)財務処理 11)取引文書作成 12)デモンストレーション 13)添乗 14)建築物清掃 15)建築設備運転・点検・整備 16)案内・受付・駐車場管理等 17)研究開発 18)事業の実施体制等の企画・立案 19)書籍等の制作・編集 20)広告デザイン 21)インテリアコーディネーター 22)アナウンサー 23)OAインストラクション 24)テレマーケティングの営業 25)セールスエンジニアリングの営業 26)放送番組等における大道具・小道具

派遣先の会社から別の会社に派遣されて仕事をしていますが…。

違法な「二重派遣」です。

「二重派遣」とは、派遣先が、派遣元から受け入れた労働者を再び別の会社に派遣することをいいます。労働者にとっては、派遣先の雇用管理責任がいっそう曖昧になるだけでなく、度重なる手数料の控除で手取り賃金が不当に抑えられるなどの問題が生じます。二重派遣は、実態としては職業安定法(第44条)が原則禁止している労働者供給であり、懲役又は罰金刑(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)が科せられることになります。おかしいなと思ったら、まず労働者派遣事業を管轄しているハローワーク(公共職業安定所)、都道府県労働局の相談窓口などに相談してください。

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賃金

賃金の一部が支払われないのですが…?

使用者は賃金の全額を支払わなければなりません

賃金は、労働者の生活を支える大事な収入源ですから、契約に従って確実かつ安定的に支払われなければなりません。労働基準法第24条は、賃金の支払いについて、[1]通貨で、[2]直接労働者に、[3]その全額を、[4]毎月1回以上一定期日に支払わなければならない(賃金支払の四原則)と定めているのも、こうした考え方によるものです。

賃金が支払われない場合、まずは不払いの理由や、いつ支払うのかについて確認しましょう。会社に支払う意志がある場合は、文書で不払い額や支払期日を確認しましょう。会社に支払う意志が見られない場合は、内容証明郵便を使って支払いを請求する、労働基準監督署、自治体の相談窓口、労働組合に相談する手段があります。
また、都道府県労働局の「紛争調整委員会」によるあっせん手続き、裁判所による労働審判、支払督促、少額訴訟制度の手続きもあります。

使用者が賃金の全部または一部を支払わない場合には、30万円以下の罰金刑に処せられることになります。(同法第120条)
また、労働者は、賃金が支払われない場合、本来支払われるべき日の翌日から、支払いが遅れている期間について、年利6%の遅延損害金を請求できます(既に退職している場合は、退職の日までに支払期日が到来している賃金については、退職の日以降、退職の日以降に支払期日が到来する賃金については、その支払期日以降について、年利14.6%の損害遅延金を請求できます)。

なお、賃金の支払い請求権には、2年の時効があります。

良く分からない名目で賃金から控除されているのですが…?

法令に定めのある場合や労使協定による場合を除いて、使用者が勝手に賃金から控除することはできません。

労働基準法第24条は、賃金の支払いについて、[1]通貨で、[2]直接労働者に、[3]その全額を、[4]毎月1回以上一定期日に、支払わなければならないと定めています(賃金支払の四原則)。この規定は、賃金が確実に労働者に支払われることによって、労働者の不当な拘束や生活の不安定を防ぐためにあります。

所得税・住民税の源泉徴収、社会保険料の控除など法令に定めがある場合や、書面による労使協定を結んだ場合には、例外として賃金からの控除が認められます。

会社の車両や備品を破損し、労働者に賠償責任が発生した場合でも、書面による協定がなければ賃金からの控除はできません。
また、前借金や、労働を条件とした前貸の債権と賃金を相殺することは禁止されており(労働基準法第17条)、違反すると6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑に処せられることになります。(同法第119条)

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時間外、休日

1日6時間勤務のパートタイムで働いています。いつも30分くらいの残業が続いていますが、残業代はもらえるのでしょうか。

残業した分については、賃金の支払を受ける権利があります。

労働基準法(第32条)は、使用者に対し、変形労働時間制の例外を除いて「一週40時間、一日8時間を超えて労働させてはならない」と定めています。
ご質問の場合、1日の労働時間の上限8時間を下回っているため、使用者はあと2時間まで残業をさせることができます。しかし、その場合には、予め労働契約や就業規則で残業について規定しておくことが必要ですし、労働時間に応じた賃金が支払われるべきであることは言うまでもありません。

残業を含めて1日の労働時間が8時間、週40時間を超える場合はどうでしょうか。使用者が労働基準法の規定を超えて労働させるためには、労働者の過半数で組織する労働組合、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と書面で協定(いわゆる「36協定」)を結び、労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法第36条)。つまり、36協定が締結されていない場合は、週40時間、一日8時間以上の労働を拒否することができます。

36協定を結んでいる場合でも、使用者が一日に残業させることができる時間には、一定の上限が定められています(厚生労働省告示)。

そして、一日8時間を超えた部分については25%の割増賃金を、労働時間が深夜10時~翌朝5時にかかる場合は、さらに25%の割増賃金(合わせて50%)を支払わなければなりません。

ただし、労働基準法はあくまで「最低基準」を定めているに過ぎません(労働基準法第1条2項)ので、労使協定によって、法律を上回る割増率を定めることも可能です。

一般的な時間外労働の割増率

割増賃金を支払わない場合、労働基準法の罰則により6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられることになります(労働基準法第119条)。

賃金の請求は、2年前までさかのぼって請求することができます。残業代を請求するためには、タイムカードがある場合は日頃からきちんと打刻する、タイムカードがない場合でも手帳などに労働時間を正確にメモしておく、といったことに気を付けておくと、後々の証拠として利用することができます。

パートタイムで働く人の多くが育児・介護など様々な事情によってパートタイムの働き方を選択していることを考えれば、安易に残業をさせるべきではありません。厚生労働省の「パート労働指針」でも、できるだけ時間外労働や休日労働をさせない努力を求めています。

残業はないと言われていたのに、実際には残業を求められます。しなければならないのでしょうか?

派遣労働者に時間外・休日労働をさせるには条件があります。

派遣労働者に時間外・休日労働をさせる場合には、以下の①~④の要件が満たされていなければなりません。残業や、契約外の業務など、就業条件明示書に書いていないことが発生した場合は、まずは派遣元の担当者に相談しましょう。

[1]派遣元で、労働基準法に基づいて時間外労働に関する労使協定が締結されていること
[2]派遣元の就業規則に時間外労働に関する規定があること
[3]派遣元と派遣先の契約(労働者派遣契約)、労働者と派遣元の契約(派遣労働契約)に定めがあること
[4]「就業条件明示書」に時間外労働について示されていること

休日出勤した場合の賃金について教えてください。

その日が労働基準法上の法定休日であるか、法定休日でない場合でも、週の労働時間が法律を上回る場合や労使協定で割増の対象にしていれば、割増対象になります。

使用者は、一週間のうち少なくとも1日の休日(法定休日)を労働者に与えなければなりません(労働基準法第35条)。法定休日は就業規則や労働契約で予め定めておかなければなりません。
使用者が法定休日に労働させるには、労働者の過半数で組織する労働組合、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者と書面で協定(いわゆる「36協定」)を結び、労働基準監督署長に届け出なければなりません(労働基準法第36条)。その上で、使用者は、法定休日の労働に対しては35%の割増賃金を支払わなければなりません。

一般的な休日労働の割増率

例えば、週休2日制で日曜日を法定休日としている場合、土曜日に出勤した場合には、一週間の法定労働時間を超える部分について25%割増賃金の対象になり、日曜日に出勤した場合は35%の割増賃金の対象となります。

ただし、労働基準法はあくまで「最低基準」を定めているに過ぎません(労働基準法第1条2項)。例えば、労使協定によって、土日の両方を割増の対象にすることもできますし、法律を上回る割増率を定めることも可能です。

パートや派遣でも有給休暇は取れるのでしょうか?

雇用形態にかかわらず、労働基準法の規定を満たせば一定の年次有給休暇(年休)が付与されます。

使用者は、正社員、パート、アルバイト、派遣などの雇用形態にかかわらず、雇い入れの日から6ヶ月在籍し、その6ヶ月間の出勤率が8割以上であれ ば、一週あたりの所定労働日数に応じて年休を付与しなければなりません(労働基準法第39条)。毎年の年休の日数は勤続期間に応じて加算されます。

雇用契約の期間が6ヶ月未満の場合でも、契約を更新して6ヶ月を超えて継続勤務するときは年休が付与されます。

登録型派遣で、同じ派遣会社から6ヶ月を超えて派遣されて勤務する場合も同様に有給休暇が付与されます。次の派遣先が決まるまでの空白期間がある場合でも、それが1ヶ月を超えない程度であれば継続して勤務しているものとして取り扱われます。

労働日数、勤続年数別 年次有給休暇付与日数

年休は、いつでも自由に取得でき、年休取得の理由を届け出る必要もありません。ただし、使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合には、年休取得を 他の日に変更することができます(時季変更権)。もちろん、その場合でも、その事由消滅後すみやかに年休を与えなければなりません。

ここでいう「事業の正常な運営を妨げる」とは、誰が見てもそのときにその人に休まれたら会社が正常に運営できないという具体的な事情があるときのみに限られます。単に「忙しいから」「人が足りないから」という理由だけで労働者の申出を拒否することは違法となります。

年休を取得したときには、就業規則の定めに応じて、①平均賃金、②所定労働時間働いた場合に支払われる賃金、③健康保険法が定める標準報酬日額(労使協定を結んだ場合)のいずれかを受け取ることができます。

パートタイムで働いている場合には、以下の方法で計算された金額が支払われます。

  • 時給制の場合は、時間給×所定労働時間
  • 日給制の場合はその金額
  • 週給制の場合は週給÷週の所定労働日数

もちろん、年休を取得したことを理由とした不利益取扱は禁止されています。

使用者が年休に関する規定に違反した場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金刑に処せられることになります。

有給休暇を取ろうとしたら、派遣先の会社から「今休まれたら困る」と言われてしまいました。

派遣先には年次有給休暇の時季変更権はありません。

派遣労働者が年次有給休暇を取得する場合、まず派遣元に申し出、派遣元から派遣先に連絡が入ります。使用者には、業務の正常な運営に支障が出る場合に年休取得日を変更する権利(時季変更権)がありますが、それを持っているのは派遣元だけです。派遣先が年休取得に口を挟むことはできません(派遣先の業務への影響については、代わりの労働者を派遣するなど、派遣元と派遣先の間で調整すべきことです)。

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解雇、契約解除、退職

突然「辞めてほしい」と言われました。

合理的な理由の無い解雇は権利の濫用として無効です。辞める意志が無いのであれば、はっきりと「NO!」の意思表示をしましょう。

客観的に合理的な理由がない解雇は、解雇権の濫用として無効です(労働契約法第16条)。パートタイマー、契約社員、アルバイトなどの雇用形態であっても、労働契約が繰り返され、実質的に期間の定めのない労働契約になっている場合も同様です。

客観的にみて合理的な理由がある場合でも、少なくとも30日前までに解雇を予告するか、平均賃金の30日分以上を解雇予告手当として支払う義務があります(労働基準法第20条)。これについても、契約が更新によって1年を超えている場合で、その契約を更新せず終了する場合(いわゆる「雇い止め」)には、解雇の理由を含めた予告しなければなりません(厚生労働省「雇止めに関する基準」告示)。

いずれにしても、納得の行かない解雇通告には、きちんとNOの意思表示をしてください。その上で、解雇の理由などを書面で求める(労働基準法第22条2項)とともに、労働組合、労働基準監督署、自治体の労働相談窓口、労政事務所などに相談してください。

なお、以下の場合は解雇予告規定の例外になっていますが、その場合でも当初の契約を超えて使用される場合(下記[1][2])、14日を超えて使用される場合(下記[3][4])には解雇予告が必要となります(労働基準法第21条)。

[1]日雇いで雇用される場合
[2]2ヶ月以内の期間で雇用される場合
[3]季節的業務に4ヶ月以内の期間雇用される場合(14日を超えると解雇予告が必要)
[4]試用期間中(14日を超えると解雇予告が必要)。

今の職場を辞めたいのですが、「次の人が見つかるまで待ってくれ」と言われています。

原則として、労働者はいつでも労働契約を終了できます。退職する意思をきちんと使用者に伝えましょう。

労働契約に期間の定めが有るかどうかで違いがありますが、基本的には労働者はいつでも労働契約の終了をすることが可能です。

期間の定めのない雇用契約の場合、労働者の側からはいつでも、理由に関係なく解約の申し入れをすることができ、申し入れから二週間が経過すれば、使用者が承諾しなくても契約は終了します。(民法第627条)。

期間の定めがある雇用契約の場合は、やむを得ない事由(病気、介護、家庭の事情など)があるときは、直ちに契約を解除できます。その場合、その事由が労働者の過失による場合には、使用者に対する損害賠償の責任が生じます(民法第628条)。

1年以上の期間を定めた労働契約の場合、一定の場合(※)を除いて、契約初日から1年を経過すれば、申し出によりいつでも退職できます。(労働基準法第137条)
※一定の事業に必要な期間を定めた労働契約、高度で専門的な知識を有する者、満60歳以上のものとの労働契約

退職したいにもかかわらず使用者が認めない場合には、書面や内容証明郵便を利用して契約を解除する日を確実に意思表示するようにしましょう。

それでも使用者が応じない場合には、労働組合、労働基準監督署、自治体の労働相談窓口、労政事務所などに相談してください。

なお、一旦退職の意思表示をすると、使用者が同意しない限り撤回することができませんので十分注意してください(錯誤、詐欺、強迫などによって意思表示をした場合は、無効・取り消しを主張することができます)。

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労働保険、社会保険、税金

パートタイマーは社会保険に入れないのでしょうか?

要件を満たしていれば加入できます。

社会保険(厚生年金保険、健康保険)・労働保険(雇用保険、労災保険)の適用事業になっている使用者には、適用対象の労働者を社会保険・労働保険の被保険者にする義務があります。

(厚生年金・健康保険)
パートタイム労働者であっても、1日または1週間の所定労働時間および、1ヶ月の所定労働日数が、正社員のおおむね4分の3以上であれば被保険者の資格を取得します。

(雇用保険)
パートタイム労働者であっても、1年以上引き続き雇用されることが見込まれ、かつ、週の所定労働時間が20時間以上である場合には、雇用保険の被保険者となります。

(労災保険)
労災保険は、雇用形態に関係なく1人でも労働者を雇用している事業所は強制加入となります。保険料は全額事業主負担となります。

派遣で働く人の健康保険、雇用保険、労災保険、年金はどうなるの?

要件を満たしていれば、派遣元会社を通じて加入します。

労働保険(雇用保険、労災保険)、社会保険(健康保険、年金保険)の適用対象は下記のとおりです。パートタイムや派遣で働いていても、適用事業所で働いており、本人も下記の要件を満たしていれば、事業主はその労働者を加入させなければなりません。派遣労働者の場合、派遣元は労働保険・社会保険の加入状況を派遣先に通知しなければならず(労働者派遣法第35条ほか)、派遣先にも、社会保険に加入すべき派遣労働者が加入していない場合には、派遣元に対し加入を要請することが求められています(派遣先指針)。

加入できるはずなのに加入できない場合は、雇用保険、労災保険の場合はハローワーク(公共職業安定所)、健康保険、年金保険の場合は社会保険事務所に相談しましょう。

雇用保険

1人でも労働者を雇用する事業主は労働者を雇用保険に加入させなければなりません。常用型派遣の場合は派遣元で被保険者となります。

登録型派遣で働く場合など、短期間の派遣が繰り返される場合でも、[1]31日以上雇用されることが見込まれること、[2]1週間の所定労働時間が20時間以上、の両方を満たしている場合には加入資格があります。

なお、上記にあてはまらない場合でも、「日雇労働被保険者」として加入できる場合があります。 詳しくは都道府県の労働局、ハローワーク(公共職業安定所)に相談してください。

労災保険

労災保険は、雇用形態がどうであれ、労働者を1人でも雇用している事業主は加入しなければなりません。万一、事業主が労災保険への加入をしていなかった場合でも、労働基準監督署に請求すれば保険給付を受けることができます。

健康保険・厚生年金保険

法人の事業所と、常時5人以上の従業員を使用する事業所(一部を除く)は「強制適用事業所」として、保険に加入しなければなりません(強制適用事業所でなくても、事業主の申請によって任意適用事業所となることができます)。

そこで働く労働者についても当然に被保険者となりますが、2ヶ月以内の期間を定めて雇用される場合や、労働時間が通常の労働者に比べて短い場合には適用除外となります。

ただし、その場合でも、所定の期間を超えて雇用される場合や、1日または1週あたりの労働時間が派遣元の通常の労働者のおおむね4分の3以上である場合には被保険者となります。

なお、上記以外の場合でも、「日雇特例被保険者」として保険に加入できる場合もあります。詳しくはハローワーク(雇用保険)、社会保険事務所(社会保険)などに相談してください。

健康保険に加入したいと申し出て、派遣会社も了解しました。ところが、会社は「保険料を払う分、時給を減らす」と言ってきました。

正当な理由ではない労働条件の不利益変更にあたります。

労働契約の変更には労使の合意が必要です(労働契約法第8条)。また、労働条件の変更内容が労働者にとって不利益となる場合は、その変更が様々な事情を照らし合わせて見ても合理的な場合でなければなりません(最高裁判例)。質問の場合は、本来事業主に負担義務があるものを一方的に労働者にも負担させようというものであり、とても合理的な理由があるとは言えません。派遣会社を管轄するハローワーク(公共職業安定所)、社会保険事務所、お近くの連合などに相談してください。

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育児・介護

パートや派遣だと育児休業はとれないと言われたけど…

要件を満たせば取得できます。

1歳未満の子を養育する労働者は、以下の要件を満たしていれば、雇用形態に関係なく、子が1歳になるまで(場合によっては1歳6ヶ月になるまで)の間、子1人につき1回、育児休業を取得できます(育児介護休業法第5条)。

○1年以上雇用されており、育児休業が終わった後も雇用されることが明らかなこと

○子が1歳に達する日を超えて雇用が見込まれること

(ただし、子が1歳に達する日から1年を経過する日までに雇用契約が満了し、契約更新されないことが明らかな場合は適用対象外)

…パートタイム、有期や登録型派遣の契約で働いている場合でも、契約更新の余地があれば(契約更新しないことがはっきりしていなければ)、取得することができます。

労働者が育児休業の取得を申し出た場合、事業主は合理的な理由がない限り拒否できません(同法第6条)。また、労働者が育児休業の取得を申し出たことを理由にした解雇などの不利益取扱は禁止されています(同法第10条)。また、妊娠・出産を理由とする解雇や不利益取扱いも禁止されています(男女雇用機会均等法第9条)。育児休業が取得できるはずなのに拒否された、契約が打ち切られた場合には、都道府県労働局にある雇用均等室などに相談してください。

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労働災害

派遣先で仕事中にケガをしてしまいました。

労災保険からの給付で治療することになります。療養のために休業しなければならない場合には、使用者(派遣元)からの休業補償、労災保険からの給付が受けられます。

業務上の災害で負傷し、または疾病にかかった場合には、労災保険から給付を受けられます。労働者自身が労災病院または労災指定医療機関を経由して労働基準監督所長に労災補償給付の請求を行うことで、現物給付として無料の療養(通勤災害の場合は原則200円の一部負担金あり)を受けることができます。指定医療機関で療養を受けることができない事情がある場合には、労働基準監督署長に療養に要した費用の請求を行うことになります。

派遣労働者が業務災害の療養のために休業が必要な場合、派遣元は、休業開始日から3日目までの休業補償(平均賃金の60%)を行う義務があります(通勤災害の場合を除く)。4日目以降は、労働基準監督署に請求することで、労災保険から休業補償給付の支給を受けることができます。

なお、労働者が業務上の負傷・疾病により療養するために休業しているときは、その期間と、その期間の終了後30日間は、原則としてその労働者を解雇することはできません(労働基準法第19条)。

職場でいやがらせを受けているのですが…?

一人で抱え込まず、信頼できるところに相談しながら対応することが重要です。

いじめ、いやがらせは労働者の人格権を侵害する不法行為であり、決して許されるものではありません。

こうした被害にあったときは、まず、いやがらせの内容や証拠(いつ、どこで、誰に、どのようなことを言われた(された))を記録しておきましょう。

そして、相手に「やめて下さい!」という意志を伝えることが重要です。文書や内容証明郵便を使って意思表示をする方法もあります。

その上で、行為が止まない場合には、労働組合、職場の苦情処理手続きによるに申し立てる方法があります。

職場ぐるみのいやがらせや退職強要という悪質なケースもあります。その場合は、労働組合、弁護士、労働基準監督署、自治体の労働相談窓口などに相談してください。

こうした方法によってもなお解決しない場合には、裁判所での手続き(いやがらせ行為差し止めの仮処分や、精神的な損害を被ったことに対する慰謝料請求)も検討します。その場合は、弁護士などと相談しながら慎重に進めていきます。

派遣先でいやがらせ・セクハラを受けて困ってます…

一人で悩まず、まず相談を!

いやがらせを受けた場合は、(勇気の要ることですが)イヤだという意思を相手に示すことが大切です。また、そのときの状況を記録しておきます(いつ、どこで、誰に、何をされた・言われたか、周りに誰がいたのか等)、その上で派遣元、派遣先の責任者に申し立て、改善を求めることになります。

セクハラの防止については派遣元、派遣先の両方に雇用管理上の責任があります。したがって、会社の対応が不十分だった場合には、加害者個人だけでなく会社にも損害賠償責任が生じることがあります。会社に苦情を申し立てるのが難しい場合や、申し立てたのに事態が改善しない場合には、都道府県労働局の雇用均等室、ハローワーク(公共職業安定所)、各地の法務局にある人権相談所、弁護士などに相談してください。

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労働組合

パートやアルバイト、派遣で働いていても労働組合には入れるの?

もちろん入れます。雇用形態に関係なく、労働者であれば誰でも、労働組合に加入できますし、つくることもできます。1人でも加入できる地域ユニオンや派遣労働者のための労働組合もあります。

労働組合法でいう「労働者」は、「職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する」人のことをいいます(労働組合法第3条)。当然雇用形態が問われることもありませんし、例えば、登録型派遣の場合で派遣されていない期間でも、労働組合のメンバーになることができます。派遣労働者のための労働組合や、1人でも加入できる労働組合もありますので、お近くの連合にご相談ください。

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